国民生活センターは、14日、シアン化合物 (アミグダリンなど) を含むビワの種子を使用した健康茶等の
摂取について注意喚起を行った。
2017年、ビワの種子粉末食品から高濃度のシアン化合物が検出され回収に至る事案が相次いで発生したこ
とを受け、国民生活センターが、市販されている健康食品等を対象にシアン化合物濃度および製品の広告
・表示に関するテストを実施。
食品衛生法第6条では、天然にシアン化合物を含有することが知られている食品及びその加工品につい
て、原則として最終製品でシアン化合物 (青酸換算) 10 ppmを超えて検出されるものを規制対象としてお
り、2017年の事案発生後、厚生労働省および農林水産省から注意喚起が公表されている。
❖主なテスト結果
インターネット通信販売およびドラッグストアで販売されていた10銘柄 (ビワの種子または葉を原材
料とした健康茶(ティーバッグ) 4銘柄、ウメエキス4銘柄、プルーンエキス2銘柄) を対象に調査。
ビワの種子を原材料とした3銘柄からは160~660 ppmのシアン化合物 (青酸換算) が検出されたが、
飲用する状態(商品の記載に従って調製した浸出液) ではすべて10 ppmを下回った。
また、ウメエキス4銘柄中3銘柄から10 ppmを超えるシアン化合物が検出されたが、一日摂取目安量
以内であれば健康影響が現れる可能性は低いと考えられた。
ビワの葉を原材料とした健康茶1銘柄、プルーンエキス2銘柄のシアン化合物濃度はいずれも10 ppmを
下回った。
ビワの種子や葉を原材料とした健康茶4銘柄はすべて1日の飲料目安量の記載はなく、プルーンエキス
1銘柄には明確な1日摂取目安量がみられなかった。
また、10銘柄すべてにおいて、シアン化合物の含有量に関する確認を実施している旨や、多量摂取に
関する注意喚起の記載は認められなかった。
国民生活センターは、消費者に対して、シアン化合物が高濃度で含まれるビワの種子を原材料とした
健康茶等について、利用する必要性を考えるように、利用する場合には安全性が調べられていること
を確認したうえで一度に多量に摂取しないように勧告。
また、事業者に対して、シアン化合物を高濃度に含むことが知られている原材料を使用した健康食品
等について、品質管理の徹底とリスク低減策の実施を要請している。